29. “Back to quicksand” の意味と例文|元の木阿弥の英語フレーズ解説!

今回の英語フレーズは、「また同じ問題に巻き込まれた」「抜け出したと思ったのに…」というときに使われる、“back to quicksand” をご紹介します。“quicksand”=流砂(踏むと沈む砂)は、「もがくほどハマる」「抜け出せない状況」の象徴。そこに“back to”がつくことで、「また問題のど真ん中に戻ってしまった」というニュアンスが生まれます。
■ 意味は?
back to quicksandは:
- 厄介な問題に逆戻りする
- 抜け出せない状況に戻ってしまう
- 一度は解決したと思ったのに、また困難な状態に戻る
といった意味で使われています。日本語で言えば「元の木阿弥」「泥沼に逆戻り」「また振り出しに戻った」などが近いイメージです😅
◼️ 表現の由来について
“quicksand” は、踏み入ると沈んでしまい、もがけばもがくほどハマって抜け出せなくなる危険な砂地。英語では比喩的に「悪循環・抜け出せない問題・進めば進むほど苦しくなる状況」を表します。“back to quicksand” はその比喩を使って、「せっかく脱出したと思ったのに、また問題の中へ」「頑張ったのにまた繰り返しになった」というショック・徒労・がっかり感を含めて使われます。
◼️ 使い方
“back to quicksand” は次のような場面で使われます:
場面 | 心理的には? | 背景にあるもの |
会社でまた同じミス | なんでこうなる・・・ | 諦めや疲労 |
彼女といつもの口喧嘩 | また泥沼かよ・・・ | 我慢する?別れる? |
またもやダブルブッキングしちゃった | もうやだ・・・ | こんな自分が嫌になるわ |
この表現は、会話・SNS・ドラマなどで使われる口語表現です。ちなみに、先日観たNetflixのドラマでも登場人物が辛そう面持ちで使っておりました。とりわけ、「状況のしんどさ」や「繰り返しの無力さ」が前面に出るフレーズと言えるでしょう。
■ 例文いろいろ
I thought we fixed the system, but here we are — back to quicksand.
→ システム直ったと思ったのに、またか…結局は泥沼に逆戻り。
She promised things would be different, but it’s back to quicksand again.
→ 彼女、今回は違うって言ってたけど、また同じこと。結局いつものパターン。
No matter how much progress I make, one wrong step and I’m back to quicksand.
→ どんなに頑張っても、ちょっと間違えるとまた泥沼。
■ ミニ会話
A: I thought your team was finally moving forward.
B: We were… but one decision from management, and we’re back to quicksand.
A: チーム、うまく行き始めてたと思ったのに?
B: そうだったんだけどね…上の判断ひとつでまた振り出しだよ。
◼️ 似た表現との違い
“back to quicksand” に似た表現もいくつかありますが、それぞれに微妙な違いがあります。
表現 | ニュアンス | 背景にあるもの |
back to quicksand | 元の木阿弥 | がっくり感がとても強い |
stuck in a rut | マンネリ化 | 長く停滞中 |
go downhill | 落ちていく | 状況が徐々に下降していく |
rutは「溝」や「わだち」。そこにはまって抜け出せないとイメトレしてください。ちなみに、back to square one(振り出しに戻る)という類語もありますが、メンタルのがっくり感で言えば、quicksandの方がとりわけ強いですね(それもかなりの程度で😅)。
■ まとめ
Back to quicksand は、「また同じ苦しい状況に逆戻りしてしまった」ときの、がっくり感を表すフレーズ。問題が繰り返されることの疲れや虚しさ、抜け出せない状況のストレスを、ネイティブらしく表現できます。(できれば、そういう状況には陥りたくないけれど)。逆説的に、苦笑いしながら自虐的に使ってみれば、SNSなどで反応が↑↑↑かもしれません!

「泥沼」のニュアンスに近いのが、このquicksand(流砂)。個人的には安部公房の「砂の女」を思い出します・・・。