49. “Helicopter parent” の意味と例文|心配しすぎ!? 過干渉な親を表す英語フレーズ解説!

今回の英語フレーズは、“helicopter parent”。直訳すると「ヘリコプターのような親」ですが、英語では「子どもに干渉しすぎる親」というピリッと風刺の効いたニュアンスで使われます。教育熱心すぎて常に子どもの上空を旋回しているような…そんな親御さん、あなたの周りにもいませんか?(or are you??)
■ 意味は?
“helicopter parent” は:
- 子どもに対して過干渉な親
- 子どもを常に監視・管理しようとする親
- 自立のチャンスを奪うほど世話を焼く親
という意味で使われます。とらえ方によっては、世話焼きな親であり、その一方で世話を焼きすぎな親でもあるわけですが、現代の英語では後者の意味合いとして扱われるのが一般的です。つまり、ややネガなニュアンスを含んでいるというわけです。
◼️ 表現の由来について
この言葉は1980年代のアメリカで登場し、「子どもの頭上をヘリコプターのように飛び回っている親」というイメージから生まれました。もともとは教育現場で、教師たちが「何でも口出ししてくる親」を婉曲的に表す言葉だったのですが、現在では社会問題としても注目され、「教育論」や「子育てコラム」などにも頻繁に登場します。いわゆる、時事問題とも関連の深い今どきな英語フレーズと言えるでしょう。
◼️ 使い方
“helicopter parent” は次のような場面で使われます:
場面 | どんな状態? | 隠れたニュアンス |
学校に親が口を出してくる | 過剰なまでに教育に干渉 | ザ・モンペ |
子供の進路を親が決めようとする | 自主性を奪いかねない | 親の理想を子に押し付けている |
大人になった息子に対して、お世話三昧な母親 | 自立を妨げている | 親心からではあるんだけど、でもね…。 |
“helicopter parent” は、ともすれば皮肉混じりなニュアンスを含む言い回しなのですが、親自身が自分のことに対してというよりも、第三者を語る場面で使われることの方が圧倒的に多いですね。

■ 例文いろいろ
Her mom’s a total helicopter parent—she even calls the professors!
→ 彼女のママ、完全に過干渉。教授にまで電話してるんだから!
I try not to be a helicopter parent, but sometimes it’s hard.
→ 過干渉な親にはなりたくないけど、つい心配しちゃうのよね。
The school is asking helicopter parents to let kids be more independent.
→ 学校側は過干渉な保護者に対して、もっと子どもの自立を促すよう呼びかけている。
■ ミニ会話
A: Did you hear? Tim’s mom emailed his college about his dorm roommate.
B: Wow, total helicopter parent move!
A: 聞いた?ティムのお母さん、彼の寮のルームメイトの件で大学にメールしたんだって。
B: うわ、それ完全に過干渉な親のやりそうなことだわ!
◼️ 似た表現との違い
“helicopter parent”に似た表現もいくつかありますが、それぞれに微妙な違いがあります。
表現 | 意味 | ニュアンス |
tiger parent | スパルタ教育な親 | 「懸命な親」を「トラ」に見立てた表現。 |
snowplow parent | 過保護な親 | 親がsnowplow(雪かき車)と化し、子のために(という名目で)、ありとあらゆる危険を取り除こうとする。先回り感がすごい。 |
free-range parent | 自由主義の親 | イコール放任主義ではないです。ニュートラルで、どちらかというと肯定的なニュアンス強め。 |
どれも子育てに関する比喩的な表現ですが、tiger parentは、アジア文化圏に多い「教育熱心型の親」を指して使われることが多く、実際、教育系のニュースなどでよく耳にする単語です。
■ まとめ
“helicopter parent” は、先に書いた通り、やや皮肉とも言える風刺を伴っていますので、使い方には注意が必要ですが、現代の子育て論を語るうえで欠かすことのできない表現ですので、ぜひこの機会に覚えておいてくださいね。英検の筆記問題にも役立ちそう!

空中でぐるぐる旋回しながら子供の動向を見守る、いや、見張ってい・・・それがヘリコプターペアレント!🚁