インプットとアウトプットの役割

「聞く」と「読む」はインプット、「話す」と「書く」はアウトプットに分類され、語学力の底上げにはどちらもバランスよく取り入れることが大切です。実際のところ、インプットだけでは会話の訓練が不十分ですし、アウトプットばかりだとブロークン英語になりやすく、伝わる英語のエッセンスからかけ離れていきかねません。インプットとアウトプットは一見すると異なる作業のようですが、「習得」という観点から双方は深く結びついています。適切な刺激を与え、バランスよく練習することで、英語力を効果的に向上させることができます。  

インプット:リスニング教材をフル活用する 

英語のインプットを増やすためには、ニュース、ポッドキャスト、映画、ドラマ、オーディオブックなど、多種多様なリスニング素材を活用しましょう。Youtubeなどの無料の動画をはじめ、英語の市販教材など、さまざまなタイプの素材を織り交ぜつつ、リアルな英語の音に触れることで、だんだんと耳が英語の音に慣れていき、自然な発音やリズムを身につけることができます。特に、興味のあるテーマのコンテンツを選ぶと継続しやすくなります。  

アウトプット:映画やドラマのセリフを音読する 

Netflixで映画を観ること自体は「インプット」にあたりますが(実際には「聞く」と「見る」の2つを同時に行っています)、英語字幕に切り替えセリフを音読するだけでも十分な「アウトプット」の訓練になります。「いやいや、自分で作った英文じゃないからそれってアウトプットに当たらないよね」と思うかもしれませんが、言葉というものは本来「借文」の積み重なりです。聞きかじった単語やフレーズを自分流にカスタマイズするという一連のプロセスを通して自分のものになっていく。それこそがむしろ自然な言語習得の流れであり、セリフの音読はその礎を築く上でとても重要な作業と言えるでしょう。なお、字幕のサイズは最大にすることをお勧めします。ストレスフリーに音読の練習ができますよ。

Mさんの体験談 

当スクールで会話力が飛躍的に向上したMさんのケースをご紹介します。Mさんは入学当時、英会話に関しては初心者(Novice)レベルでしたが、現在では上級者(Advanced)にまで達しています。もともと知識はあったのですが、それを会話に活かすというトレーニングを特にはされていなかったため、アウトプットに課題があるとおっしゃっていました。授業は当初から英語のみで行っていますが、英語力がメキメキと上達しているのは明らかで、どのような勉強をしているのかを本人に聞いてみたところ、散歩中や休憩時間、ご飯を食べている間を使ってCNNなどのニュース英語を聴いている(いや、聞きまくっている)のだそうです。ひたすら聞き続けた結果、少しずつ英語が聞き取れるようになり、覚えた表現を会話にも活用しているそうです。「千里の道も一歩から」という言葉は、語学習得においてまさに的を射た表現ではないでしょうか。Mさんはすでにインプットされていた知識を、地道にアウトプット変換するプロセスを加えたことで、見事なまでに英会話力を開花させました。 

まとめ 

英会話の習得には、「聞く」と「話す」のバランスが不可欠です。一方に偏ると、学習効率が下がってしまいます。特に苦手な技能は避けたくなるものですが、あえて重点的に取り組むことで、全体のバランスが整い、効果的に英語力を伸ばすことができます。

ジュミ子

音読する時は、臨場感たっぷり、なりきり気分でトライしてくださいね!